所有者不明土地問題の解決へ

1.発生原因と問題

 所有者不明の土地が増えています。所有者不明の土地とは、①不動産登記簿で所有者が直ちに分からない土地か、②所有者は分かっても何処にいるのか分からず連絡がつかない土地のことです。
 所有者不明土地の多くは相続が発生したときに生まれ、相続登記がされないままそれが何代にも渡ると、所有者を探すのに大変な時間とコストが掛かり、その間土地は無管理状態となり、所有者が分かっても共有者多数で土地の管理・処分に必要な合意形成が困難になります。
 高齢化の進展と迫りくる多死社会はこの問題を一層深刻化させます。

2.解決に向けた国の施策

 国は、2021年4月に民法改正と併せて土地所有権の国庫帰属に関する法律を作って、2024年4月からは以下のとおり従来と異なる取扱いがされます。
①土地・建物の相続登記の義務化(10万円以下の罰金あり)
②住所などの変更登記義務化(5万円以下の罰金あり)
③一定の条件を満たす所有者不明などの土地の国庫帰属化
(相続人が10年分の管理費を負担)

3.自力で登記にチャレンジ

 幸いなことに、素人が自ら不動産登記を申請すると登記官が露骨に嫌気を見せた登記所(地方法務局)のかつての風景は、今はもうなく、とても親切に指導してくれます。
 住宅ビジネスには不動産登記がつきものなので、施主や地域の住民が自ら不動産登記を申請できるように工務店がアドバイスしてあげるのも、今後の付随サービスとして、また不明土地問題予防という社会貢献としてあっても良いのでは。(手数料を貰って代理申請することはできないのでご注意を)

4.申請書の書き方・雛形はネットでゲット

インターネットで検索すれば、登記申請書の書き方や雛形も手に入りますので、ご自身の不動産について何らかの登記が必要なときに自ら登記申請してみると意外と簡単ですよ。