よくある建築トラブルと予防策
住宅建設の事業を行うにあたっては、顧客、協力会社、仕入先等とトラブルになることがあります。
特に顧客とのトラブルは、顧客との関係性(その後の受注や良い口コミ等)を失ってしまうばかりでなく、裁判に発展してしまうと解決に時間もお金もかかってしまいます。
そこで、よくあるトラブルの類型と、その予防策を見ておきましょう。
なお、ご紹介する予防策によりあらゆるトラブルを防止できるということはありませんが、ご参考になさっていただけるのではないかと思います。
1.よくある建築トラブルの類型
①工事が通常の施工水準に達していないケース
(例)手抜き工事の発覚、漏水の発生
②通常の施工水準には達しているものの、施主が工事(成果物)に納得していないケース
(例)仕上げ、美観・質感・におい・音、特殊な仕様
③工事内容や代金等の取決めが十分にできていないケース
(例)工事の追加・変更、工期の変更
2.トラブルの予防策
①自社の資源や経験上、無理のない工事内容・工期を設定すること
⇒挑戦的な案件に臨むことが必要な場合もありますが、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ)を正しく把握した上、現実的な計画の下での受注を心がけましょう。
②施主と取り決めた仕様・部材や合意内容をできるだけ文字化すること
⇒施主の「こだわり」が必ずしも工務店と同じ認識ではないことは多々あります。そのため、部材の型番や性能表示を用いる等、後から客観的に確認できる記載を心がけましょう。
③丁寧に説明し合意内容を資料で残すこと
⇒工事の追加・変更にあたり追加料金や工期延長が発生する等、施主に不利益なことほど、丁寧な説明で理解を得た上、口約束ではなく資料で残すことが大切です。資料は、合意書や覚書が作成できれば良いのですが、議事録やメール等でも工務店の助けになることがあります。