地域工務店のCRM

1.「地域工務店CRM」による顧客の明確化と掘り起こし

 地域工務店は、マスメディアで広告宣伝を行わずに費用を掛けずに効率的に自社地域での集客をする必要がある。口コミで注文を獲得するため、お祭りを開催したり参画したり、消防隊に入って地域社会での信頼獲得に努めている。バイタリティーを要し、精神的な負担も大きい。

 そこで、地域顧客から継続的に(世代を継いで)、改築・増築・建替えを請負うための「地域工務店CRM」を策定する。CRM(CustomerRelationship Management)とは、企業が顧客視点をもって顧客との良好で長期的な関係を構築し収益を向上させるためのビジネスモデルである。
顧客への個別的な対応により、活動の価値を高め、収益の幅とレンジを向上させる。

2.収益機会の探索

 まずは、“顧客視点”で市場と向き合い収益機会の見える化を行う。
顧客の立場で購買意思決定プロセスを想起すれば、ターゲットとして認識すべき顧客が顕在化する。
 地域工務店がいま直面している市場・顧客を“顧客視点”をもって、①個客シェア、②商品範囲、③顧客時間、④顧客範囲の4軸で見れば、これまでは見えていなかった顧客と収益機会を見出すことができる。

3.提供価値の構築

 次に、ターゲット顧客に対する価値提供について、以下の4点を軸に策定する。
○ジャストタイミング(適時提案)
 顧客が商品・サービスを必要とする時期を的確に捉え適切なタイミングで提供提案を行う。

○レコメンデーション(推奨)
 顧客の意向や嗜好を踏まえたうえで適切な商品・サービスを推奨する。

○メタプロダクト(関連付け)
 単一の商品・サービスにとどまらず、関連して便益をもたらすモノ・コトを提案する。

○カスタマイゼーション(個別対応)
 個別ニーズに合わせた商品・サービスを提供する。
 CRM戦略における“顧客視点”から導出された類型に合わせて考案すれば、従来にない、顧客にとって価値ある施策を考案することができる。新しいことを吸収するよりも、これまで扱ってきた情報を“顧客視点”で整理し直すことになる。